《メッセージ:僕と歌と教会》
僕は教会で生まれ育ちました。
近所の悪ガキ達からは「アーメン、ソーメン、冷やソーメ~ン」なんて風に、
いつもからかわれていましたけれど、 その珍しさが自分では分かるわけがありません。 子ども心に色々な疑問を持ちながらも少しずつ大きくなりました。 魚を眺めるあの水族館のことをアクアリウムといいますけれど、
そのアクアリウムという言葉の他の意味には、
「牧師館(牧師家族が住む家)」なんてことが辞書に載っています。
牧師の子として教会で生まれ育つということは「面白くないこと」もたくさんあり、 また「面白いこと」も数多くありました。 意味もわからない内から「聖書の言葉」が身近にあり、 「耳年増」「眼年増(?)」な子供であったと思います。 そんな環境に反発し逃げ出そうとしたこともありますし、 逆にその特殊さをカサにきて友人に反発を受けたこともあります。 ・・・そんなとき「礼拝堂」においてあった古ぼけたピアノでオリジナルの歌を作り始めました。 それがいつのまにか職業になり、シンガーソングライターとして忙しい日々を過ごすことになりました。
そして、40歳を超えたころからまたこうしてチャーチコンサート等で、
「礼拝堂」で歌を歌わせていただく機会があります。 あらためて自分がどういう土台・基礎に支えられてきたのかをここにきて考えさせられます。
「礼拝堂なんてとこには入ったことないよ」という方、 ぜひこの機会にコンサートを聴きに来て下さい。 「礼拝堂」というところはもちろん礼拝をする場所ですが、 子供の頃の僕にとっては“全天候型遊技場”でした。 そして今の僕にとっては“交わり・出会いの場所”となっています。 良き出会いと交わりを期待しながらお伺いするつもりです。 当日を楽しみにしていますね!
陣内大蔵(じんのうちたいぞう)
シンガーソングライター。65年生れ。山口県宇部市出身。牧師家庭に生まれ育つ。関西学院大学神学部在学中の’88年にシングル「いと小さき君の為に」、アルバム「MORATORIUM」でシンガーソングライターとしてメジャーデビュー。以降、「深呼吸」・「空よ」・「心の扉」・「新しい風」・「僕は風 君は空」などのヒット曲を含む11枚のオリジナルアルバムをリリース(他、シングル23枚、ベスト盤6枚)。近年では、スーパーバンドVibesのボーカルとして2枚のアルバムをリリース。TV番組主題歌・CMソング等も手がけ、作家としても少年隊・吉田栄作・永井真理子・チャゲ・沢田研二などに楽曲を提供。その他、ラジオ番組DJ・音楽専門学校講師・プロデュースなど活動は多岐に渡る。
数年前より大学時代に中断した学びを再開し、’07春に日本キリスト教団東美教会(東京・吉祥寺)伝道師となる。最近では通常の音楽活動とは別に、「ミュージシャン&クリスチャン」という立場で招かれ「チャーチコンサート」を催す機会も増え、「教会に生まれ育った」という自身の生い立ちからライフワークとして続けている。’07.8に私小説風エッセイ『僕んちは教会だった』(日本キリスト教団出版局)を出版。デビュー20周年記念ベストアルバム「Jinnouchi~20years~」がBMG JAPANよりリリース(3/26)された。
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